雑学的『なにか』を綴るブログ

身の回り、自分の中にある『なにか』が少しでもあなたの役に立つものになれば嬉しいです。

【大丈夫か!?】『<地方銀>アパート融資の貸出残高最大 相続税対策に 対応』に見るアパート融資の今後を考える。


個人が建設する賃貸住宅への地方銀行の融資残高が、2017年3月末時点で前
年比7.2%増の13.8兆円に膨らみ、日銀による2009年の統計開始以降で最大
となったそうです。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6242373
(出典:ヤフーニュース、毎日新聞

金融機関が地方経済の縮小や超低金利で企業向け融資の収益が低迷するなか
で、相続税対策のアパート建設などへの貸し出しを急増させていることが要
因とのこと。


アパートローンを借りる側にしてみると、単純にいえば相続税を計算すると
きに資産があるとその資産に相続税率がかかることになり、アパートローン
などの借入金、いわゆる負債があればその分資産を減らせる(相殺できる)の
相続税が軽減されることを狙っています。

これはこれで借り手側にもメリットがありますし、銀行は融資残高を常に注
視していますので残高を増やせて嬉しいわけです。
またアパートローンはこのご時世でも1ケタ%という高い金利で貸し出すこ
とができるので、融資残高を増やしつつ融資利回りの向上も得られて一石二
鳥ともいえます。


一方でアパートローンを借りた側の物件オーナーはどうでしょうか。
賃貸物件を建てるには自宅を建てるよりもより多額が必要になる場合が多い
でしょうから、基本的にオーナーは自分の給与等の収入ではなく、賃貸物件
からの賃料収入でローンを返済していくことになります。
この点はアパートローンと住宅ローンの違いのひとつです。

銀行はローン審査の際に賃貸物件からどのくらいの収入が得られるのかを審
査したうえで融資を判断しますが、日銀金融機構局は「家賃収入の見通しを
十分審査しないまま融資を増やしている地銀もある。」と銀行側の事情で審
査が甘くなっている実態を指摘しています。


オーナー側がどの程度ローンをして得られるメリットとデメリットをどれだ
け認識しているのでしょうか。
人は誰しも何かを始めるときはメリットの方に目がいきがちです。
賃貸経営をしたいと相談すれば、金融機関や不動産業者が全力で止めること
はまずないでしょう。
彼らも一営利企業であり、収益機会をみすみす逃すわけにはいきません。
よほど慎重か、デメリットを認識している人でなければ途中で断念すること
はできないのが実情かもしれません。


最終的に、賃貸経営が上手くいかなかった場合に一番の不利益を被るのはオ
ーナーです。
最悪の場合は相続財産を残すどころか自宅までも失い、負債だけしか残らな
いことすらあります。

金融機関や不動産業者は取引が完了すればそれでおしまいです。
彼らは始めから自分たちは絶対に損しないように手続きを進めていますから
、損は全てオーナー側が被ることになります。
万が一彼らの過失を指摘し、損害賠償を得ようと思ってもそれはとても難し
いでしょう。


賃貸経営など不動産投資に関する記事は別途掲載していこうと考えています
が、アパートローンの過剰融資がオーナーやご家族の不幸を生まないことを
祈りつつ、本ブログで啓蒙を続けていきたいと思っています。

【驚きと共に考察】『「早稲田塾」首都圏11校閉鎖へ・・・少子化で苦戦』にみる予備校業界の今後

本日のニュースで『「早稲田塾」首都圏11校閉鎖へ・・・少子化で苦戦』という記事を目にしました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170606-00050100-yom-soci

(出典:読売新聞ニュース)

 

何を隠そう受験生時代を早稲田塾で過ごした人間として驚きと共に時代の趨勢を感じた次第です。

 

早稲田塾は「塾生は現役高校生のみ(つまり塾生の現役合格を目指す)」という謳い文句のもと、講師と生徒の距離が近く現役で大学受験をする高校生に総力を決して受験のための指導を行う予備校でした。

 

個人的にいわゆる大手予備校の期間限定講義に出席し、かなりの大人数で受ける授業に対して没入感を覚えられなかったり、浪人生が入口付近でタバコを吸ったりちょっと我が者顔でいるのを見て、もう少し講師と生徒の距離が近く、第二の高校のような雰囲気を求めていた自分には、まだメジャーではなかった早稲田塾が非常に魅力的に感じ、両親の不安を押し切って入塾したことを昨日のように覚えています。

 

おかげさまで他校の友人もでき、運良く現役合格することができたのは、当時の講師の方々や事務局の方々のサポートがあったからと今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

そんな早稲田塾もナガセの傘下に入り、運営を続けていたものの知らないうちに厳しい状況に陥っていたのですね。。

 

インターネットやその媒体としての端末が幅広く普及するなか、生徒自身が予備校に足を運んで授業を受けるという今までのシステムが根底から覆される時期に来ているのかもしれません。

インターネットと端末が普及した現在は塾が身近にない地方都市で勉強をする受験生には大きな武器です。

都市部にいて受験情報が常に最新かつ具体的に入手できる受験生との情報の非対称性をなくすことができます。

 

一方で、個人的には直接面と向かって講師か授業を受け、授業が終わった後遅くまで質問に付き合ってくれる予備校は今でも貴重な学びの場だと思っています。

 

社長は「少子化でも生徒の掘り起こしは可能」と述べていらっしゃいますが、掘り起こし以上に受験生のニーズに合った予備校をニーズに合わせた規模で展開していくのがこれからの時代の流れに合った戦略なのかなと推察します。

 

閉鎖に伴い運営規模は縮小しますが、私が通っていた頃のような活気を早稲田塾が取り戻し、オンリーワン予備校の地位を掴んでくれることを心から願っています。